医学生・研修医のための
家庭医療学夏期セミナー

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最終更新日 2006.07.31

第18回家庭医療学夏期セミナー 3日目セッション

3日目は午前中に選択セッションを用意しております。1コマだけの開催ですので、5つのセッション中から1つ選択していただきます。一部セッション紹介文など詳細が未定のセッションがございます。未定のものに関しては決定しだい順次更新してまいりますので、今しばらくお待ち下さい。
  • 明日から出来る禁煙支援
  • 家庭医の家庭
  • 世界の家庭医
  • 家庭医の1日(低学年向け)
  • 家庭医のキャリアディベロップメント〜あなたのなりたい家庭医になるために〜
  • 明日から出来る禁煙支援

    講師名・所属
    (敬称略)
    高橋裕子 奈良女子大学大学院
    三浦秀史 禁煙マラソン・慶應義塾大学SFC研究所
    対象 特に制限はありません。
    セッションの紹介  禁煙支援は全ての診療科での患者指導の基本スキルといわれています。
    禁煙支援を習得することで、知識を上手に動機付けに繋げ新規の行動開始するための支援ノウハウや一旦開始した行動を継続するための支援ノウハウなどが習得できます。
     4月からニコチン依存症管理料の保険適用が開始されました。
    禁煙支援が治療行為として正式に認められたことは、私たち医療者にとっては画期的なことです。タバコは、喫煙者本人だけでなく、周囲の人々への健康被害をもたらす有害物質であることは明らかです。
     一方、喫煙者自身に目をやると、6〜7割近い成人喫煙者が、禁煙をしたいと思いつつ出来てないという実態があります。また、未成年者の喫煙防止対策も重要な問題です。
    禁煙支援は誰でも容易に習得でき、支援する側に大きな喜びとエネルギーをもたらしてくれるものです。日常の診療業務の中にうまく禁煙支援を組み込むノウハウを学び取って頂けるセッションにしていきます。

    家庭医の家庭

    講師名・所属
    (敬称略)
    守屋文香・守屋章成 特定医療法人社団カレスサッポロ 家庭医療クリニック西岡
    西村真紀 川崎医療生協・久地診療所
    対象 全学年対象
    セッションの紹介  家庭医に興味のある皆さんは,医者として仕事をする自分は想像できることでしょう.
     それでは,自分が家庭を持って,生活をする姿は想像できるでしょうか? 多様な家族の形があり核家族化する現代では,自分の将来の家庭像がわかりにくくなっていると思われます.

     このセッションでは,家庭医として働き,自分の家庭も大切にしたいと日々格闘(?)している医師達がコーディネーターをつとめます. そんなコーディネーター達の"個人史"を披露します.家族の形は様々ですが,個別の生活を垣間見ることで自分の将来も少し具体的に身近なものになるでしょう.
     男性医師にとっての家庭と女性医師にとっての家庭は少し違った意味を持ちますので,男性・女性医師ともにコーディネーターをつとめます.(家庭医夫婦も含みます.)
     そして,参加者の皆さんが持っている私生活や仕事との両立等に対する不安や心配・期待などを率直に仲間や先輩と語り合いましょう.

     家庭医にとって,自分の家族と良い関係を築いていくことは,仕事にも大きなプラスとなります.
     自分の家族にしっかり目を向けることで,診療の底力がつきます.
     男性も女性もそれぞれに,自分の経験がすべて診療の糧となります.
     逆に,診療で患者さんとしっかり向き合うことで,さまざまな人間・家族模様を知ることができます.
    それがまた自分の家族との関係にも大きなプラスとなります.

     仕事と私生活,両方に真摯に取り組むことで大きな相乗相加効果が生まれます.
     そんな,大変さはあっても実りの多い将来像が描けるようなセッションにしたいと思います.

    世界の家庭医

    講師名・所属
    (敬称略)
    佐野 潔 (家庭医療専門医としてフランスパリ郊外のパリアメリカン病院内で開業。主に在仏邦人を対象に家庭医療を行なっている。)
    対象 全学年
    セッションの紹介  家庭医療の後期研修の内容が論議されている昨今、世界的に見て何を目標に研修したらよいのかを明確にすると同時に、家庭医療の中心となる外来医療での家庭医療的アプローチはどのようにしたらよいか、そしてどこが内科ベースの現在の開業医とは異なるかを考えてみよう。決して家庭医療マインドとかプライマリケアマインドだけでは語れない真の家庭医像を明確にすると同時に、今後の研修における家庭医療的着眼点を明確にしてみよう。
     今回は海外からのゲストとして、米国サンディエゴで家庭医として開業している日本語の堪能なカール・ルー先生を招いております。もし時間があれば将来の家庭医専門医の活動の場、例えば海外邦人医療、海外医療援助、世界保健など、についても紹介しようと思っていますし、また現在のアメリカの家庭医療レジデンシーの日本人採用情報も紹介して今後の励みにしてもらおうとも考えております。
    ※カール・ルー先生は急遽来日できなくなりました。

    家庭医の1日(低学年向け)

    講師名・所属
    (敬称略)
    吉山直樹 新潟県立看護大学
    根本聡子 新潟県 片貝医院
    藤原靖士 奈良市月ヶ瀬診療所
    対象  
    セッションの紹介

     家庭医が一日をどのように過ごしているのか、その姿を具体的に医学生の皆さんに見て頂きたいと思います。一日がどのように始まり、どのように終わっているのか、時間の経緯のもたらすダイナミズムは、すばらしいものです。家庭医は、家庭医の仕事の場に立ち会って、同じ「生活者」としての目線で見ることによって始めて追体験できます。
     私達は、まず皆様に家庭医の外来風景のビデオをお見せし、それを見学している学生の感動を語らせます。
     次に家庭医における「一日」を、モデルを示して解説し、単独の家庭医がどのように自己学習し、スキルアップしているか、テキスト本(*)を使用して解説します。その際に一日の時間の使い方の巧拙を考えてみたい、と考えています。
     最後は、グループでフリーの形式で「わかりにくい、イメージしにくい」家庭医の姿について語って頂きましょう。お話が進めば、それぞれが感じた内容で家庭医をロールプレイで演じてみましょう。

    *:「プライマリ・ケア医の一日」南山堂
    参加者は事前に購入しておいてください。

    アマゾン書籍購入ページ「プライマリ・ケア医の一日」
    http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN
    /4525201614/qid=1152277209/sr=1-1/
    ref=sr_1_2_1/503-1702367-1151954

    家庭医のキャリアディベロップメント〜あなたのなりたい家庭医になるために〜

    講師名・所属
    (敬称略)
    前野哲博 筑波大学附属病院 総合臨床教育センター/総合診療グループ
    河村由吏可 筑波大学附属病院 総合臨床教育センター いばらき地域医療研修ステーション(大和クリニック)
    対象 全学年
    セッションの紹介  初日・2日目のセミナーを通して、参加者の皆さんには3日目には家庭医とは何か、どのような診療能力が必要なのかを十分イメージしてもらえていると思います。では、5年後、10年後にそのような医師になるためには、どのように進路を選び、どのように研修を重ねていけばよいのでしょうか?
     おそらく、すべての人に当てはまる「正解」はありません。でも、みんなで悩みや不安を共有し、必要な情報を集め、先輩の経験をヒントにして自分の決断に生かすことはできると思います。このセッションでは、「人生のターニングポイント」を、学生時代、初期研修、後期研修、研修終了後の4つに分けて、それぞれディスカッションを深めていきたいと思っています。その中で、医学教育改革の流れ、新臨床研修制度、整備が進みつつある家庭医専門医制度などについての話題も提供していきたいと思っています。